シナプスです。
チューブレス化するすると匂わせていたものの、天気のいい日は走りたくなってしまって、なかなかその気にならないまま2021年が終わろうとしていました。
年末年始、帰省の予定も無くなったので、じっくりとチューブレスに向き合いました。
- 今回、悪戦苦闘したチューブレス環境
- リムテープが上手く貼れない
- ビードも上がらない
- チューブレス化の是非を自問自答し始める
- 石鹸水は偉大
- 4barから2barに落ちてシーラントも漏れる
- 念願のグラベルライド
- 教訓
- 心配なこと
- で、肝心の乗り心地は?
- 関連記事
今回、悪戦苦闘したチューブレス環境
・ホイール:Alexrims RXD3(リム内径:19mm)
・タイヤ:Panaracer GravelKing Plus 32c
・リムテープ:3M 仮固定テープ 24mm
・バルブ:IRC FORMULA PRO TL VALVE 50mm
・シーラント:STANS Notubes タイヤシーラント
リムテープが上手く貼れない
チューブレス用のリムテープを貼るために、まずはもともと貼られているリムテープを外します。
マイナスドライバーを横から差し込めば簡単に外れました。
パーツクリーナーでリムを拭き上げてリムテープを貼っていきます。
専用品は10mで2000円くらいしますが、私が用意したのはコチラ。
ゆっくり作業すればなんとかなるだろうと思っていましたが、めっちゃ難しい。
軍手をして爪から血が出るくらい頑張りましたが、きれいに貼ることができませんでした。
仮固定テープは薄いので3周巻くつもりでしたが2周で力尽きました。
この時点で早くも自信喪失気味に。
ビードも上がらない
多少の気泡には目をつぶり、タイヤを装着してフロアポンプで空気を入れてみます。
チューブレスタイヤの鬼門はビード上げらしいのですが、リムテープをきっちり巻いた後に一周ゆるく巻いてリムの中央の溝を塞いでおくと簡単に上がるらしいとの情報を入手。
その通りやっていたのですが、私が選んだ GravelKing Plus はタイヤが硬くて、タイヤをはめる時点で緩く巻いたテープは完全に溝に押しやられていました。
一生懸命ポンピングしてもタイヤとホイールの間から空気が虚しく漏れるだけ。
CO2ボンベを使うしかなさそうです。
実はCO2ボンベを使ったことがなくて。
ネットを見ながら恐る恐るセッティング。
バルブを解放するとブシュッと空気が注入されると同時にボンベに霜がおりました。
こわ〜。
温度が下がると聞いてはいましたが、バルブまで白く凍ったようになったのでビビりました。
結局、ビードは上がらず。
テープにも気泡が入りまくっている状態だし、たとえビードが上がっても謎のエア漏れに苦労したという話もあるし・・・これは不器用な私の手に負えない。
早々に諦めてショップに電話してみました。
シナプス『カクカクシカジカで、お願いできるものでしょうか。」
店長「持ち込みはやってないんですが・・・う~ん・・・いいですよ。工賃が高くなってしまうけど」
シナプス「いくらくらいでしょう」
店長「どのくらい大変かやってみないとわからないけど、片方で5000円はみといてください」
シナプス「検討いたします・・・」
前後で1万円。
リムテープとかシーラント代まで含んだ金額なのかわかりませんが、電話を切った瞬間は頼む気満々、だったのですが・・・
チューブレス化の是非を自問自答し始める
果たして俺はなんのためにチューブレスにしたいのだろう。
一万円の工賃を払って何を得ようとしているのか?
ちょっと川沿いのダートを走ってみたいだけ?
それならクリンチャーでやってみればいいのでは?
グラベルキングプラスはパンクに強いタイヤだからチューブレスにしなくても問題なく走れるかもよ?
それを試してからでも遅くないのでは。
すぐに諦める男シナプス。
後輪にチューブを入れます。
クリンチャー運用するならリムテープも適当でいいやと思ったのですが、タイヤをはめるためにはリムの中央の溝がしっかり凹んでないと固くてはめられず。
結局、気泡少なめに貼らないとダメでした。
石鹸水は偉大
続けて前輪もクリンチャーに戻そうと思ったのですが、どうせリムテープをちゃんと貼らないといけないなら、もう一度だけ試してみよう。
今度は石鹸水も塗ってやれることはやってみることに。
やはりフロアポンプではビードは上がらず。
CO2ボンベを投入すると・・・上がった!
石鹸水すげー!
ビードが上がった前輪ですが、フロアポンプで空気を入れてもすぐにフニャフニャになるのでシーラントを入れてみることにします。
バルブから注入するために注射器が便利らしいのですが近所のダイソーには売ってなかったのでドレッシング容器で代用。
バルブコアを外して見よう見まねで白い液体を注入。
哺乳瓶みたいな容器で白い液体を慎重に注入していたら、なんだか動物の赤ちゃんにミルクをあげている気分になりました。
シーラントはクサイとの噂なので、試しにちょっと匂いを嗅いでみましたが確かに生臭いというかイカ臭いというか、クサイですね。
50mlのシーラントを投入し空気を入れるとタイヤとホイールの隙間から漏れてきます。
拭き取りつつグルグル回したり揺すったりしていると漏れなくなってきて空気が入るようになりました。
6barまで入れてしばらく放置。
するとホイールの継ぎ目からシーラントがにじみ出てくる。。。
一晩放置して拭き取ったら漏れてこなくなりましたが、空気圧は4barまで落ちていました。
翌日も空気を6barまで入れて放置しましたが状況は変わらず。
漏れなくなったのはシーラントが足りなくなっただけかも?と思い、追加で20ml投入してフリフリすると、また継ぎ目からジワっとシーラントが漏れてきます。
これってホイールの欠陥なんじゃ?と疑いはじめました。
前輪がままならない状態で後輪をどうするか迷ったのですが、ここまできたら最後までやってみることに。
後輪はチューブを入れてビードが上がった状態なので、片側だけビードを落としてチューブを抜き取ります。
リムテープを見てみるとチューブに圧縮されてかなり気泡がなくなっていました。
もしかすると前輪よりも上手くいくかも。
石鹸水をヌリヌリしてCO2を投入するとビードが上がりました。
シーラントを入れないと空気が入らないのは前輪と同じ。
前輪の反省を踏まえて最初から70mlくらい入れました。
さらにホイールの継ぎ目からシーラントが滲み出る症状も同じ。
一晩で6barから4barに落ちるのも同じでした。
4barから2barに落ちてシーラントも漏れる
グラベルキング32cの最大空気圧はチューブレス運用の場合4bar。
もしかすると4barで安定しているのかも、と淡い期待で4barで1日放置してみたら2barに落ちて、さらに6barの時は漏れなかった場所からシーラントが漏れていました。
6barの時は高圧すぎる状態でタイヤが膨らんでいたために漏れていなかったのかもしれません。
もう一度4barまで空気を入れてフリフリして1晩放置。
翌朝は3.5barになっていましたがシーラント漏れもなく8時間で3.5barを維持できるなら、なんとか実用に耐えうると判断し、試走することにしました。
これだけ苦労したのだから、せめて一度だけでも走り心地を味わっておきたいし。
念願のグラベルライド
翌日。
不安を抱えたタイヤに4barの空気を注入し、ゆっくりと大野川へ。
軽く走るつもりなので、普段着+普通のスニーカー。
川沿いの舗装路を10kmほど走ってタイヤを確認すると、まだまだガチガチに空気が残っている状態。
ということで、調子に乗ってダートゾーンへ突入してみました。
もっと走りたかったけど夕方から用事があったので30kmほど走って帰宅。
空気圧を測ってみると、ほとんど減ってない!
一日経っても4barを維持していましたので、これは完全に成功といえるでしょう!
チューブレスにした後、数十キロ走ってやっと安定するという記事も見ましたが、そういうことでしょうかね。
とりあえず上手くいって本当によかった。
12月26日からグダグダやって試走したのが1月2日ですからね。
放置時間も含めると6日間かかったことになります。
(追記)
後輪はバッチリですが前輪は3日で1barのエア漏れが確認されました。
やはりリムテープの気泡が原因?
教訓
チューブレスリムテープは専用品がおすすめ
専用品は程よく伸びるので貼りやすいみたいです。
仮固定テープはほとんど伸びないので、相当なテクニシャンじゃないと気泡を追い出すのに苦労すると思います。(私には無理)
特にRXD3はリムの中央の窪みが深めなので余計に難しかったです。
専用品は幅もちょうど良いものが用意されています。
RXD3は内径が19mmですが、テープ幅が24mmだと広すぎて貼りにくかったです。
かといってテープが細いとズレてエア漏れしやすいみたいなので、テープ幅は貼りやすい範囲で出来るだけ広いものがよさそうです。
リム内径が19mmの場合は23mm幅のテープがちょうどいいと思います。
気泡が残ってしまったらチューブの力を借りたらいいかも
リムテープを貼るのが難しくて気泡を抜ききれなかった場合は、一度チューブを入れてパンパンの状態で一晩放置するとイケるかもしれません。
過信は禁物ですが。
基本に忠実に。石鹸水は必須。
不器用な初心者のくせに石鹸水をおまじない程度にしか思っていなかった私は、危うく一万円の工賃を払うところでした。
後から知ったのですが、石鹸水みたいな曖昧なものを使いたくないセレブな方の為に「フィッティングローション」なる専用品もあるみたいです。
先人たちが残してくれた情報を信じて、やるべきことは全てやりましょう。
CO2ボンベは準備しておいた方が
ビードが上がらないと何も始まらないので、フロアポンプで歯が立たない場合に備えてCO2ボンベは準備しておくべきだと思います。
たくさん走る人ならインフレーターポンプを買ってしまってもいいかも。
放置するときは高めの空気圧と適正空気圧の両方で放置してみると良さそう
空気圧は高ければ高いほどタイヤやシーラントが馴染みそうな気がしますが、そうでもないようです。
最初はビードを上げきる意味も込めて高めにして、顕著なエア漏れがなくなったら適正空気圧まで下げて放置してみるといいかもです。
慣らし運転をして初めて完成するかも
一晩で0.5bar程度のエア漏れなら、試しに20kmほど試走してみると完成するかもしれません。
くれぐれも、こまめに空気圧をチェックして事故にならないように気を付けて。
諦めないで
いずれにしても、初めてのチューブレス化は苦労すると思います。
RXD3とグラベルキングは、あまり相性がよくないという噂もありました。
仮固定テープで気泡が残っていてもなんとかなったので、タイヤやバルブ、テープやシーラントをしっかり吟味して選ぶことと作業を丁寧に行えばなんとかなると思います!
ただ、気軽に相談できるショップがあるなら、お任せするのも良い選択だと思います!
心配なこと
リムテープの気泡から徐々にシーラントが侵食しているのではないか
リムテープに気泡が残ったままシーラントを入れているので、徐々にシーラントが侵食してきてリムテープがはがれてこないか心配です。
後輪のシーラントは、ちゃんと振らずに投入した気がする
シーラントは小さな穴を塞ぐための粒子や繊維が混ざっているらしく、よく振ってから注入する必要があります。
前輪に注入するときはしっかり振ったのですが、継ぎ足した時と後輪のときはテンパっていて振るのを忘れていました。
タイヤの中に残っているシーラントを入れ替えたいのですが、タイヤを外すのは嫌。
注射器を改造したような「シーラントインジェクター」なる道具を使えばバルブからシーラントを抜き取ったり注入するのも楽になるようです。
メーカー品は高いので怪しげな中華製を注文しました。
バルブのOリングがグニュとなっている
チューブレスバルブはリムテープと密着させないとエア漏れの原因になります。
気の利いたチューブレスバルブにはホイールとナットの間に噛ませるOリングが付属しています。
このOリングは空気を密閉するものではなくて、あくまでもナットが緩むのを防ぐためのものらしいのですが、ナットをしっかりしめるとOリングがぐにゅっとなるのが気持ち悪い。
後輪はもう少し均等にぐにゅっとなっているのですが、前輪はどうやっても写真みたいになってしまいます。
Oリングの劣化が早まりそうで心配です。
で、肝心の乗り心地は?
チューブレスはクリンチャーに比べて「軽い」「転がり抵抗が少ない」「もうクリンチャーには戻れない」「チューブレス最高」なんて話もあったりしますが、違いのわからない私には、そこまでの差は感じられませんでした。
不安を抱えているという心理的なものか、そもそもの空気圧が低いからか分かりませんが、なんとなく「空気が抜けた?」と不安になる感触もありました。
慣れの問題かな?
ただ、空気圧が低いお陰で小さな振動は確実に軽減されている実感がありました。
そして多少のダートなら問題なく、むしろ楽しく走れてしまう。
これが最高。
少しずつ川沿いのグラベルコースを開拓していきたいと思います。
(追記)
チューブレスバルブの色が黒になったので、お気に入りの「バルブコアツールになるバルブキャップ」と色が合わなくなりました。
ブラックをイロチ買いしちゃいました。
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